2006年08月

2006年08月29日

夕立で駆け込んだのは


先月、開田高原近くに取材にいったときのこと。

取材が早めに終わったので、
あてずっぽうで近くの渓流に入ったところ、
はじめはパラパラだと思った霧雨が、
アッという間にものすごい集中豪雨に変わりました。

ヤバイと思い、煙る谷を川通しに駐車スペースまで。
魚は釣れていません。

すっかりびしょ濡れなので、気を取り直し、
日帰り温泉にでも入ることにしました。

ウエーダーを履いたまま運転し、
適当に見つけた温泉にたどり着いても、
外はまだ土砂降り。

しばらく車中にじっとしていましたが、
きりがないので入り口まで駆けました。
本当にすごい雨なのです。

玄関先で急いでウエーダーを脱いで、
しまったと思いました。
「ズボンを忘れた……」
アンダータイツ1枚にTシャツ姿は、
けっこう間抜けです……。

でも引き返す気が起きる雨ではないので、
モジモジ君のような姿のまま中に入り、
「日帰り湯入れますか?」と聞くと、
「大丈夫ですよ、奥を右に曲ったところです」
と親切な女将さん。

ちょっと恥ずかしい姿だったので、
いそいそとお風呂に向いました。

浴室にはほかに誰もなく、広々。
鉄分たっぷりの赤っぽい湯でリラックス。
浴槽で泳ぐこともでき、
上がったあとはパンツ一丁で髪を乾かしていました。
気持ちいい〜!

その時、「ガラッ」。ん?
振り返ると、若い女の人と目が合ってびっくり。
向こうも驚いたようで、すぐに引っ込みました。

「パンツだけでも履いておいてよかったなぁ」
「気をつけてほしいよなぁ」
と着替えをすませ、暖簾をくぐると
向かい側にも風呂場があります。

気付いたのはその直後。
奥のほうの暖簾にこそ、「男湯」の文字。
あとから考えるとこの宿(学生が合宿に使うような宿でした)、
男湯と女湯で暖簾の色自体は共通の緑色だったのです。

振り返るのも恐ろしく、
長い廊下を早足で駆け抜け、
外の車に戻ったのでした。

それにしも、湯船にいる間に
あの女の人が入ってきていたら、
僕はいったいどうなっていたんでしょう?
危うく、痴漢騒動を起こすところでした(汗)。

















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2006年08月28日

西馬音内盆踊り


秋田県の渓に行ってきました。
訪れた日がたまたまお祭りの最終日だと聞いて、
夜の散歩がてら出掛けてみました。

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3日間で20万人が訪れるという、盆踊りです。

秋田美人が目当てでもあったのですが、踊っている女性たちは
全員顔を隠しています。女性も男性も、彦三頭巾という名の鞍
馬天狗のような黒い頭巾と、烏追いと呼ばれた編笠を被ってい
ます。生バンド?によるお囃子と、顔を隠した着物姿の女性た
ちの踊りをただただ眺めるという質素で素朴なお祭りのようで
す。

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せっかく秋田美人を楽しみにしてたのに……

しかし気になります。なぜ顔を隠すのか、その理由が知りたくて
周囲のギャラリーたちに聞きまくりましたが、一同口を揃えて、
「昔からこういうもんだがらねえ」と返ってきます。同行したT
はいつの間にか有料席の最前列に割り込んで、踊る女性たちを激
写し始めました。

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母から子へ、子から孫へと踊りは引き継がれるそうです

知らない、分からない、昔からそうだから、と5〜6人に聞いた
頃、メインストリートから少し外れたところに、何をするわけで
もなく、ただ観衆の集まりを遠くから見つめているひとりのおじ
いさんがいました。そのおじいさんに同じ質問をしてみたところ、
2〜3回口をぱくぱくさせてから、絞るような掠れ声で教えてく
れました。

03.JPG
Tが自画自賛するベストショット。編笠の隙間からは、確かに秋田美人の片鱗が見え隠れしていた

訛り+意味不明な掠れ声が混じるため、正確に理解できていない
かもしれないが、要約するとこういうことでした。そもそもは、
豊年祈願や先祖の供養が始まりだが、男女の交際の場でもあった
ようです。それはやっぱり未婚者だけなんですか?と聞くと意味あ
りげに笑ったあと、何かを言おうとしたおじいさんはおもいきり
咽せてしまいました。
 話を聞いたあとに、改めて踊りを眺めてみると、きらびやかさ
とは無縁で、暗がりに焚かれた松明、お囃子と唄に合わせて静か
にゆっくり踊る女性たちの姿、これらがとてもいんびに見えてき
ます。行ったことないけど、農民たちにとっては仮面舞踏会のよう
なものなんだろう、ということで納得しました。

last.JPG
秋田県湯沢市在住の渋谷直人さんの渓流取材です。ロングティペットを使いこなすための裏ワザがありますので、気になる人は、9月22日発売の11月号を見てください






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2006年08月21日

今日びのキャンプは実に快適なんです


週末は群馬県、嬬恋村の無印良品嬬恋キャンプ場で行なわれた
年に1度のビッグイベントにおじゃましました。

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カヤック教室もありました


カナディアンカヌー、マウンテンバイク、草木染め、竹とんぼ、
おやつ作り、アウトドアファーストエイド教室、もちつき大会……、
そして我らがフライフィッシング、と遊べるプログラムがてんこ盛り。

プログラムを事前予約しておけば、道具は主催者側で用意してくれるので
普段アウトドアの遊びになれていない人でも
ふらっと行って、おいしいところだけ味わえる。
特に小さいお子さんがいる家庭などには、この気軽さがありがたいとのことで、
子どもも大人も、みなさんほんとうに満足気でした。

で、僕が驚いたのは、
皆さんが持っている装備の充実っぷり!
テント、タープ、テーブル、イスは当たり前!
そのほか、諸々の道具を見ていると
いやらしい話なのですが
つい、金額のことを考えてしまったりするわけで……

しかし、僕の拙い暗算の域は軽く超え、
ただただ感嘆するしかありませんでした。


ニッポンは豊かだなぁ


というわけで、若干ネガティブ思考になりましたが、
とても楽しいイベントでした。
みなさんも、ぜひ!

02.jpg
夕方からは、バンドのライブ! 高原に鳴り響く開放的なメロディー、かっこいいっ!











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2006年08月17日

ガソリンスタンドの人。


以前、東名高速道路の足柄SAのガソリンスタンドで
給油したときのこと。

僕のクルマの後ろにロッドケースが積まれているのを見た
ガソリンスタンドのお兄さんに、
「フライ、やるんですか?」
といきなり声を掛けられました。

確か、長良川へ行ったときの帰り道のことだったと思います。
僕は「やりますよ!」
と即答すると、そのお兄さん、僕の顔をじっと見つめて、
「どこかで見たことありますねぇ……」
といぶかしげです。

僕は当時、誌面に顔を出して、
もう1人の部員とくだけた連載をしていたことがあったのですが、
ガソリンスタンドの彼は、
「あ、思い出した、●●さんだ!」
と、当時の相棒のほうの名前を叫びました。

僕は
「いえ、もうひとりのほうです……」
となぜか恥ずかしくなり、逃げるようにクルマを発進させました。

その後、給油は足柄SAですることが増え、
その彼とは何度か顔をあわせました。

つい先日も寄ってみたのですが、彼は見当たりませんでした。
名前もしらなかったので、ほかの店員さんに聞くわけにもいかず、
なんとなくさびしい気分になりました。
もう仕事やめてしまったのでしょうか……。

明日から秋田に行ってきます!
これからフライ巻こうっと。











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2006年08月15日

シコシコの旅


みなさん、好きな麺類はなんでしょうか?

歯ごたえのあるものが好き、辛いものがすき、
酸っぱいものもけっこう好き、という僕にとって、
冷麺はかなり好きな部類に入ります。
焼き肉屋の締めの1品としても、
まず欠かせません。

で、岩手に出かけた際に、
2種類食べて参りました。

ひとつは遠野の町中にあるジンギスカン食堂でペロリ。
(ジンギスカンが遠野の隠れた名物って知ってました?)
もうひとつは、石鳥谷町内の焼肉店でペロリ。

両方に共通していたのは、麺に一定の軟らかさがあったこと。
いわゆる盛岡冷麺といえば、ただシコシコ硬いだけという時もありますが、
今回のはどちらも噛むほどに、
ジワジワと旨味が滲み出す感じでグッドでした。
スープともほどよく絡む。うまかったです!


食べかけですみません(スイカもかじりかけ……)。石鳥谷町で


お店の写真です。駅近くのメインストリートにあり、おばちゃんが切り盛りしています
















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2006年08月12日

飲んだ席での一言


 吉祥寺のとあるお店なんですが、カウンターのみで10人
も座るといっぱいの小さな飲み屋さんです。太宰治や山口
瞳などが出入りしていたらしく、店内はほとんど当時のま
まで、ひょんなことから通うようになり、かれこれ6〜7
年です。

 内暖簾、一見様おことわりという時代遅れなルールをいま
でも行なっていて、実にイヤな感じですが、常連さんたちは
誠にもっておもしろい人たちばかりなんです。
 彫刻家、俳優、料理人、大学教授、ピアニスト、メディア
関係などなどほかにもたくさんいます。そんな常連さんたち
が連れてきた初めての方とお話した時のことです。

 何気ない時事ネタから、流れが趣味の話へ。その人、Aさん
は陶芸家だそうで、以前まではフライフィッシングにどっぷり
はまっていたというではないですか。「僕も好きなんですよ〜」
ってな感じで意気投合。どんどん飲んでどんどん酔っぱらって、
機嫌がよくなったのか、Aさんが一言「家にバンブーもたくさん
あるんですが道具は使ってナンボ、もう使わないので、ぜひ今度
取りに来てください」。

 ソレってくれるってことですよね? 喉まででかかったけど声
に出しては言えません。心の中で自問自答した結果、“くれる”
と解しました。僕もうれしくなって明け方まで飲み続け、お互い
タクシーで帰りました。

 それから2ヵ月経ちましたが、Aさんはお店に現われません。
また、聞くところによると、Aさんを連れてきた人は海外に出張
してしまったそうです。
 
 この場を借りて一言、「Aさん、あの時僕にウジニッキをくれ
るって言いましたよね、ね、ね?」



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2006年08月10日

北海道の弾丸レインボー


暑い毎日が続いておりますが、
みなさんいかがお過ごしですか?

ちょっと前の話になりますが、
北海道取材へいってきました。
この模様は次号のフライフィッシャーに掲載される予定ですが、
その前にちょっとご報告(魚の写真は小誌をお楽しみに!)

01.JPG
こんな渓相で、大きなドライフライに50cmがガボッと出ます。

02.JPG
撮影に向かう津留崎さん。
荷物こんなにいっぱい持って入渓します。
背中のザックには、
水中ハウジング(カメラを中に入れて水中写真を撮れるカバー)
が入ってます。


その帰り道(実はクルマで行きました、北海道)
夏休み中の島崎了さんと合流。
秋田でヤマメ釣りを楽しみました。
例によって車中泊バリバリなので、
島崎さん、ヒゲボーボーです。

04.JPG
島崎さん、フライを後ろの木に引っ掛けて……。
こういうとき、ラインを引っ張るのではなく、
ロッドティップまでフライを引き込んで、
枝をガサガサするとフライが回収できることが多いです。

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渓流でお昼ご飯。
津留崎さん(右)、島崎さん(左)とも
笑っていないのは、実はとても暑いからです。

06.JPG
秋田の渓流はこんな感じでした。
少し渇水気味でしたが、
元気なヤマメが顔を見せてくれました。

この模様は……、実はいつ掲載するかまだ未定です。
シーズンのよいときに取材して、
あとで掲載号を決めるということもたまにあります。
こういうことを僕らは「取り置き取材」なんていっていますが、
よい季節が短いだけに、
記事のストックが必要になる場合があります。







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2006年08月08日

またイワナ


梅雨明けの東北。
取材を終えたのち、また懲りずにイワナを求めて
岩手県の盛岡周辺の川に寄ってきました。

現地につくと、車止めのゲート前には、
すでに関東ナンバーの車が4台停まっています。
まぁ、悩んでも仕方がない!

支度を整えて歩き始めると、すぐに大きな堰堤でサオを出している
ご年輩のエサ釣りの方2人を見つけました。

声をかけると、
「朝4時に所沢から来たのだけれど、
その時にはもうほかの車はあったなぁ。
自分たちはもう眠いから(午前10時頃)上やっていいよ」
とのこと。ラッキー。

結局、はじめはスロースタートだったのですが、
飽きない程度にきれいなイワナが顔を見せてくれました。
ほかの車の人は、沢登りの人たちだったこともあとで判明し、
魚もそこそこ残っていたというわけです。

何より驚いたのは、どの魚も引きが強く、
ヤマメのように走り回ること。
ニジマスみたいにジャンプするやつもいました。

やっぱり、広い川は気持ちよいですね。


フライはエルクヘアとアントのみ。遊びで使ってみた巨大ポッパーはフッキングしませんでした


とにかく森がきれいです。空は雲ひとつありませんでした




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