2012年11月20日

恐怖の赤いハックル

駅前に並んで声を張り上げているボーイスカウト風の小学生たち。、
「被災地のためにお願いします!」
なんて目の前で言われたら、小心者の私は聞こえないフリができません。

たまにならいいんですが、
なぜか最寄の駅には最近毎週のようにいます。
そうなると気分的にもちょっと……
懐具合も関係してきます。

何も考えず土曜日に50円を募金して、
日曜日の朝にさらに100円を追加。
「ありがとうございます!」って前日と同じ顔ぶれに同じ笑顔で
前日以上の大声で礼を言われ、ちょっと照れくさく感じた次第です。

と、ここまではよくある日常的な風景なんですが、
その日の夕方、駅に着いてみると募金箱を首から下げた小学生たちがまだいました。
そのあたりから何かが変わってきたのです。

財布の小銭入れを見てみると500円玉と5円玉が1枚ずつ。
それまでの間に赤い羽根をいちいち選んでもらっていたせいか、
どうやら子どもたちに顔を覚えられたみたいです。
その証拠に揃って遠目に「あっ」みたいな顔をされました。
そしてそこで一段と大きくなるお願いの声。
あきらかに期待されているような、
必要以上のプレッシャーを感じずにはいられません。
ここで5円はないよな……。

見栄も手伝って、500円を募金箱に入れたら
「おおぉっ」ってどよめきが。

ヤバイ、小学生らしい瞬発力あるリアクションが気持ちイイぞ!
なんて心地よく帰宅したわけですが、よく考えてみると、
彼らは来週もいるかもしれないわけです。
募金額のベースラインを勝手に500円にしてしまった今、
今度は当然それ以上を求められる視線が駅前で待っているわけで……。 

ちっぽけな見栄が財政難を呼び寄せ……。

週末が不安になってきました。
子どもたちの声を無視してスルーすればいいだけのことなんですが、
そんなことができたら悩んでません。

ひと駅先まで歩く、というのが最良の方法かと思っていますが、
根本的な解決にはなっていないようにも思えるわけです。

こちらの善意で決めることなのに、
なんでこんなに追いつめられなければいけないのか、
赤いハックルの価格はまさに急上昇。
この高価なマテリアルがある程度集まったら、
カモではなくて魚が釣れるフライを巻こうと思います。
                    [ワカノ]

NCM_0028












flyfisher_magazine at 14:07│clip!